北海道のいちばん長い日「たくぎん破綻」

北海道のこと

あそれは、1997年11月17日月曜日-

たくぎん破綻当時は私は小学校4年生(10歳になる年)でした。
…というと、50歳代以上の先輩方から「もうそんなに経つんか…」と言われます。
私も鼻水垂らした小学生だったのが、小学生の子供を持つ父親になってますからね。。。

当時、報道で信用不安も広がりつつありましたが(朝のテレビ番組で朝刊記事紹介するときに、経営不安を取り上げてたのをハッキリ覚えています)、Xデーが来るなんて本気で思っていた人は、どれくらいいたでしょうか。
都市銀行の経営破綻なんて、後にも先にもなかったですからね。

たくぎん破たんに関連する本を読む

高校生の時、北大入試を受けることに決めました。AO入試で志望理由を書く必要があり、先生と相談して「北海道のために活躍したいので北大に入りたい」というストーリーでまとめました。そこで、本を何冊か読んで歴史とかを調べていく中で、たくぎん破綻と向き合う機会がやってきました。

それ以来、1990年代~2000年ころの北海道経済に関することを何かと知る機会が自然と増えました。調べていったお陰で、その当時の情報が目に留まりやすくなった気もします。

私が大学生の頃、北海道新聞社からも本が出版されて、自然とその本を購入しました。

この本にも書かれています(Wikipediaにも書いてあります)が、経営破たん~北洋銀行への事業譲渡が決まった金曜日~月曜日は「その時歴史が動いた」という感じです。

その後、経営破たんから20年たって、今度はダイヤモンド社から違う本が出版されました。当時の頭取でした河合禎昌氏の著書です。

この2冊は今でも本棚にあって、時々手に取っています。

たくぎん破綻と北海道経済のいま

今でも報道(特に北海道新聞)でたくぎん破綻のことが取り上げられますが、もう過去のものと言ってよいでしょう。しかし、たくぎん破綻が今の北海道を形づくっていると言っても過言ではありません。

たくぎん破綻を前後して、さまざまな北海道の企業は姿を消しました。ニチイはサティになってポスフールになって、最後はイオン北海道となりました。YESそうご電器は無くなりました。札幌テルメはシャトレーゼが買収してガトーキングダムサッポロになりました。炭鉱町にあったテーマパークはほとんどが経営破綻しました。たくぎん破綻で取り上げられていた洞爺湖のあのホテルは、ウインザーホテル洞爺となり洞爺湖サミットで使われました。

一方で、ニトリ、セコマ、ツルハ、アイン、DCMのように、このピンチを乗り越えて、筋肉質な経営体制で全国区で名前が知れ渡る企業が生れたのもまた事実ではないでしょうか。特にニトリさんは日経新聞の「私の履歴書」でも克明に描かれていたので記憶に残っている方も多いと思います。

資本主義経済では、収益を上げられない企業が市場から退場するのは当然です。ですから、日本の金融システムが護送船団方式だったことで歪んだものが、このタイミングで一気に淘汰されたといえるのかもしれません。金融ビッグバンなんて言いましたからね。少し飛躍した言い方かもしれませんが。

余談ですが、私は北洋銀行さんの口座を持っていますが、たくぎんから引き継いだ口座を受け継いでいます。システムリフレッシュでカードが新しくなるまでは「たあ坊」の通帳でした(分かる人だけ分かってください)。
ちなみにキャッシュカードは北洋銀行さんに切り替わって以来、ずっと同じものを使っています。

私が北海道にできること

大げさかもしれませんが、たくぎん破綻のようなインパクトが無かったら、自分が北海道経済とか、北海道の未来というテーマに向き合うことは無かったと思います。ですから、中小企業診断士として独立開業するようなことも、なかったかもしれません。

私は北海道経済の申し子でもなんでもない、ただの北海道民にすぎません。ですが、この地に生まれた以上は、いつまでもステキな故郷であり続けたいし、もっともっと魅力的な場所にしていきたいという想いはあります。

誰しも、豊かな自然、美味しい食事…なんて、北海道の魅力を語りますけど、それが道民の豊かさとリンクしていない側面があると思っています。仮に、北海道でビジネス的な価値(付加価値額)が創出されていれば、域際収支が大幅赤字なんてことは無いはずで、道民の平均所得も相応の結果になっているはずです。
…経済学的に見たら、北海道の付加価値は道外の資本家に吸収されている可能性も、あるかもしれませんね。思想家っぽい、すごく恣意的な言い方ですが…私はそういう経済的な思想を主張しているつもりはないです。思想家でもなんでもない、ひとりの個人事業主です。

具体的にどうすれば実現できるかは、まだまだ模索しているところですが、私の人生が終わる頃には「北海道って、めっちゃいい所だよね!」「ここに住んでいてよかった」と、一人でも多くの人が思う場所にします!!

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